今、伝統音楽系で一番かっこいいバンドの1つ、カペラ・マリショフ

かっこいいなぁー! 特に冒頭の2曲、そして最後のお兄ちゃんのインプロが炸裂する曲がお薦め。最高です、カペラ・マリショフ。



ポーランドの南部のタトラ山脈から出てきた伝統音楽親子バンド(ワルシャワまで車で8時間とか言ってたよーな)。パパは楽器職人。お兄ちゃんはヴァイオリニスト。妹は歌と太鼓をたたく。なんというか、小さいころから育った環境が違うんだろうな。超純粋培養だよね、これはもう選ばれたものの音楽だ。お兄ちゃんの上手さが、とにかく桁違いで、おそらくあと10年後には、大先生になっておそらく家族バンドを出て自分の凄いバンドを率いて世界的に活躍するようになるに違いない。いや、野心的なのはむしろ妹の方か。

こちらはまだお兄ちゃんが子供だったころ。パパも若い。



Kapelaってバンドって意味で、マリショフ一家のバンドということ。歴代家族でやってるバンド。

最近新作が出たんだよ。これが、まためっちゃ良いのだ。

音楽雑誌の今年のワールドミュージックのCD、年間ベスト10みたいなものが発表になっているのだけど、ホント知らないものばかりが紹介されている中で、これは私も大好きなグループです。

伝統音楽とは…みたいなことが書いてある。パパのメッセージ。

それにしても最近は、伝統音楽系の音楽にも私は限界を感じているんだ。伝統音楽好きな人たちって「民族学的に興味がある」人と、「既存の音楽つまらないからこっちに来ました」って人といると思うのだけど、私は後者。

でも最近はこの世界も自分にとっては、有力マネジメントによるコマーシャリズムと戦略による賞取り合戦およびフェスティバル出演の椅子の奪い合いという駆け引きの世界だし(仕事にしちゃうとそういうのが見えちゃうからしょうがないんだけどさ)、そもそも何を聞いても、もうあんまりピンと来ないってのがあるのよね。実際北欧からヴェーセン以上のバンドは出てこないし、アイルランドからマーティン・ヘイズ以上の音楽は出ないだろう。(自分にとっては、という意味です。誤解なく)

となると探すべきは他のジャンルか、他の地域の伝統音楽ってことになって、最近、伝統音楽が面白いのは、ポーランドあたりではないのかな、と思う。実際、ヴェーセンのミカエルも言っていたけど「今,俺の生徒達はみんなポーランドに向ってる」そうだ。

そして…これまた私が好みが、伝統音楽なんだけど「かなりジャズ」ってところにあるのよ。そのヘンの音楽が私にとってはたまらないものがある。ヴェーセンはジャズではないけど、マーティンなんかは「かなりジャズ」だよね。やっぱり私はこういうのが好きなのだわ。そもそもケルトから北欧に行った動機も「ジャズっぽいものを求めて」だったし。

というわけで、いずれウチでもやりますポーランドもの。このバンドではないんだけどね…

しかしリズムが複雑でうまく数えられない。いったいこういうの何拍子って言うんだろう。時々リズムを喰うようにドライブしていくところとか、ほんとたまらないんですけど!! ちなみにヴェーセンのよく演奏している「ポルスカ」って、ポーランドってこと。ポーランドから来てるんだ、ポルスカは。



日本ではフィジカルで手に入れたい人はエル・スールさんとかで入荷しているみたいナノで,是非。